今日は久しぶりに抽象度の高い話になってしまいました。
でも、個人的にはとても大事な話だと思うし、この概念が理解できる「発信者」「表現者」が人を魅きつけると僕は考えます。
できるだけ、少しでも分かり易くお伝えしていくべく頑張りますぜい!!
テーマは「演出」です。
皆さん、、「演出家」って聞いてどんなイメージを持ちますか?
やっぱ、どう考えても蜷川幸雄が一番有名ですかねー?
メガホン持って、有名芸能人だろうが、稽古中、怒鳴りまくるイメージw
ちなみに、CMを作る段階でも、演出家は当然存在します。
■ CMクリエイティブディレクターを中心に企画をしまくる
↓
■ クライアントとクリエイティブの間に代理店営業が入って死にそうになるw
↓
■ 再三再四、練りまくってクライアントの社長決裁が降りて「最終企画コンテ」の出来あがり。
この「企画コンテ」はある意味、机上の空論であることが多い。
事前の情報収集に限界はあるので、実際にその「企画コンテ」を成立する為に、
どこで撮影して、タレントにどのように演じてもらうか?
それを具現化させるべき工程を画にしたものが、
「演出コンテ」というものになります。
そしてその演出コンテを形にするのが
「演出家=監督」です。
最初僕はこの「演出家=監督」が大嫌いでした。
ぶっちゃけ、
「おいおい、俺らが死ぬ気で決めた企画コンテをちょっと弄るだけだろう?」
「なのに、なんでそんな現場でも編集室でも偉そうなんだ?」
みたいな。
現場でも編集室でも、1番偉いのが監督です。
僕みたいなペーペーに偉そうにしながら企画をした、クリエイティブディクレクターやCMプランナーも、
特に大御所の監督になるとペコペコしている状態です。
なんで?
俺らが企画を決めて、その仕事を発注している……
言い方変えると、僕らの仕事がなかったらこの監督は仕事がない……
もう少し発注者として振舞えや!!って、いっつも思っていました。
だから、ある程度年次が上がっていき、それなりに意見が出来るようになると、クリエイティブの人たちに
「堅物な監督は止めませんか?」
「もっとフレンドリーな監督っていませんか?」
「若くて勢いがある人とやってみたい!」
と、手を変え品を変え提案するんですけど……
当然、聞き入れてもらえない訳でして……
また、タレント指名なんつう監督もいます。
つまり、タレントAのCMの仕事は、◯◯さんと◯◯さん以外はやらない……とか。
そういう場合は、もっと酷い状態なので、さすがにクリエイティブの人たちもそう言ったタレントは慎重に提案しますw
そんな、なんか良く分からないような仕事で、偉そうにしている監督が大嫌いだった僕が目覚めるキッカケがありました。
「なるほど……これが演出か・・・」
「監督の存在ってこういうことか…」
それは結構単純で、ある仕事で僕の提案が届いたのか、異例の人事が。
ある一人のCMプランナーが
「今回の企画なら僕の得意分野なんで演出もやらせてください」
という話の流れになりました。
クライアントもクリエイティブディレクターも、いつもと違う流れで戸惑っておりましたが、
「おし、やってみよう」ということに。
僕はラッキー!って思った。
だって、そのCMプランナーとすんげえ仲良かったし、
面倒くさい存在がいないので、いつものストレスが軽減されると、全く仕事のことを考えない、自分のことしか見えない小さな男でしたしw
もう落ちが見えてきたと思いますが、その作品が完成しても全然良くなかった。
まだまだ素人レベルであった僕ですらも感じた。
「なんかいつもの仕上がり感と違う」と。
当然僕以上にその意識を感じた、クライアントや他のスタッフは緊急対応に。
結果、
「一部、再撮」という最悪な結果に。
※再撮とは?
その名の通り、撮影をし直すこと。
僕のケースは、全面改良じゃなくて一部ですんでよかったですが……
本来CMを作る工程であってはならないことです。
そして、僕の仲が良かったCMプランナーはプライドをズタボロにされます。
なんと、再撮の時に急遽、新しい監督を参加させることに……
クライアントからその条件を呑めば追加の最低撮影費用は出してくれるという条件を突きつけられます。
・・・いや~~ 震えましたよ。。。
その後、再撮+再編集は新しい監督が来て、なんとか納品することができました。
その、
「なんとなく仕上がり感が違う」ということ気付いた僕は、
その後、過去の「企画コンテ」と「演出コンテ」を1日中見比べてみました。
あの作業が今の僕の色んな活動の大きな指針になるとは夢にも思わなかったけど。
僕がその時から、なんとなく理解し始めたことは、
「企画」はSTORYであり、「演出」はそのSTORYを輝かせるものであるという感覚。
「企画」が刺身だとしたら、「演出」が美味しい醤油とわさび。
「企画」が設計図だとしたら、まだそれは未完成な状態であり、「演出」なくして完成することは無い。
はっきり言って、企画と演出は全然違うものであるも、表裏一体でもあるという不思議な感覚になったことを覚えております。
そしてこと、情報発信者はその両方の感覚=資質を備えなきゃならないんです。
もう一つ違うジャンルで例えると、小説家もその両方を兼ね備えなきゃならない。
ひたすら、トリックと犯人探しだけの推理小説が面白いのか?てな話です。
中にはそういうマニアはいますが、探偵役はどんなキャラクターなのか? 犯人のバッグボーンは? 場所の設定は?
無口でクールな探偵と人形町という設定が人を魅きつける。
(なんの小説を言っているか分かる人は東野圭吾マニアですw)
こと、この業界の発信者は特に
「演出」部分が足らない人が多いから、なかなか面白い人がいないと僕は感じます。
すんげえ、正しいこと言っているけど、、読みたくねえ
すんげえ、稼いでそのノウハウをバンバン吐き出しているけど、、、読みたくねえ
書く内容+ノウハウが僕が思う「企画」であり、もっと皆に読んでもらえるには? その工夫が「演出」だと思っております。
だから特にコアファンが多い人は色んな工夫=演出が垣間見れます。
なんで、みんてぃあさんが当時やたらと、「ワンピース」を題材にアフィリエイトの話をしていたのか?
なぜ野崎はいつも、どうでもいい入りをしているのか?
なぜたまにしか発信しない中俣の発信は面白いのか?
なぜ甲斐は最近、コアファンが増えているのか?
(ドンペリ甲斐からリブランディグ成功した後の発信すねー)
演出=楽しませる工夫
企画がすんげえしっかりしている正しいことだけじゃ、人の心は動かない。
Wikipedia感ぽいねー とか、NEWSレターぽいねー というのは全然褒め言葉じゃないと僕は思います。
ちょっと小難しくなりましたが、こと情報発信に関しては、
演出=楽しませる工夫
企画=STORY・ネタ・ノウハウをより輝かせる工夫
を意識するだけで、皆様の発信は全然変わってくると思います。
ではでは