ぼくが出版コンサルをさせてもらっている、ある一人の男(=彼はサラリーマンです!)の本が、そろそろ世に出ます。
楽しみだ〜
その彼というのが、なかなかユニークな経歴の持ち主でして……
いわゆるFラン大学出身、昔は自他ともに認めるパチンコ狂い。
本人いわく
「どうしようもない男」
だったそうです。
でも、そんな彼にも転機が訪れた。
ある日ふと「このままじゃヤバイ」と思ったらしく、そこからはとにかく
「仕事だけはちゃんとやろう」
と決めたそうです。
そしてその言葉通り、彼はどんな仕事でも逃げずにコツコツ取り組み、誰もやりたがらないような業務も我慢してやり抜いた。
その結果、彼は社内でも目立つくらいに出世していきました。素晴らしい。
あまり詳しく話すとネタバレになってしまうので控えますが、そんな彼の仕事術がこの本のコンセプトになっています。
この本の企画を彼と一緒に練っていたとき、ぼくが改めて思い出したことがあります。
前段長くなりましたが、今日はこんな話を↓
「叩き台を作れる奴、最強説」
何かを企画する、提案する、構想する。
そういうときに、ほとんどの人がまず「ゼロ」からスタートします。
会議を開いて、「何かいいアイデアある?」と聞かれても、皆うーんうーんとうなって黙り込んでしまう。
残念ながら、そこから何も生まれない。。。
でも、そういう煮詰まった状況で、誰かが
「とりあえずこんな感じでどうでしょう?」
と叩き台を持ってきてくれるだけで、一気に空気が変わる。
議論が前に進む。
「あ、それちょっと違うかも。でも、こういう切り口ならどうだろう」
と、まるで火種に風が吹くようにアイデアが広がっていく。
ぼくはこれを「ペラ1」とも呼んでおりますが、これでかなり出世できたような気がします。
その「叩き台」を出せる人間こそが、仕事のできる人だとぼくは考える。
もちろん、叩き台に完璧な答えがある必要なんてありません。
むしろ間違っていてもいい。
でもアホな上司に限って、そういう叩き台を見て
「お前、全然わかってないな」
と偉そうに説教を始める。
おいおい、、だったらお前が答え出せや、とツッコミたくなる。
(ほんと、マジで多かった、こういうアホな奴)
叩き台って、答えじゃなくて議論を進めるための
「道具」です。
正解かどうかは本質じゃない。アホな上司ほど分かってない。
さらにいえば、本当に叩き台作りがうまい人って、自分の案が否定されることすら織り込み済みで提出したりもする。
「これは違うな」
と叩かれることがむしろきっかけになって、議論がグッと前進する。
そういう流れを分かっているから、どんどん出す。
だからぼくも、何か企画を考えるときはなるべく、「仮の案」でもいいから、まずは叩き台=ペラ1を作るようにしています。
どこかで誰かが言ってましたが、
「仕事が進まないときは、何かが足りないんじゃない。
何かが『ないまま』始まっているだけ」
なんだと。まさにその「何か」が叩き台だと考えます。
言われたことをそのままやるだけの人は、叩き台を作るなんて発想すら持っていません。
でも、自分で考え、自分で打席に立とうとする人は、たとえ空振りでもバットを振る。
だからこそ、チームも、プロジェクトも、そして人生すらも動き出す。
何もわからず、ただ他人の案を叩いて悦に入るアホではなく、叩かれるのを前提で、前に進めるための叩き台を出せる人間でありたい。
そして、そんな人たちと、ぼくは一緒に仕事をしていきたいと思っています。
では!