トレンド

2025年M-1はなぜ「知らないコンビ」だらけになったのか?お笑いマーケティング装置としての進化。

2025年M-1決勝から見えた違和感

今年は何年かぶりにリアタイで見れそうな
M-1決勝戦。

昨日、準決勝が行われファイナリストの発表がありました。

多分、メルマガを始めて12年間、、
毎年M-1ネタは書いております 笑

当然、島田紳助さんが立ち上げた第1回から見続けてきており
ぼくの中では、クリスマス・紅白以上に年末の風物詩になってます。

その影響を受けてか、娘も気づいたらお笑いファン、
妻は余り好きじゃなくてもM-1の決勝は
家族3人で楽しむイベントになっているのは単純に嬉しいぜ。

今年は「え…知らないコンビが多い……」から始まった

先ず、メンバーを見た最初の感想…

「え…知らないコンビが多い……」

でした。

例年は9組のうち、ほぼ全組を感覚的に追えているのですが、
今年は4組くらい「ほぼ初見」。

決してぼくがお笑いに疎くなったわけではなくて、これは完全に
M-1の「構造変化」だな…と強く感じました。


昔のM-1:「売れるための登竜門」だった時代

M-1が立ち上がった当初は、M-1はずっと若手芸人にとっての

「売れるための登竜門」

だった。

もちろん今もその側面は強いのですが、ここ数年変化の兆しを感じたが、
今年はその変化が確信に変わった。

優勝か「爆発的な爪痕」だけがチャンスだった

昔は

「優勝する」

「決勝で爆発的な爪痕を残す」

ことで初めて売れた。

言い方変えると、過去決勝に行ったコンビ、
このメルマガ読者の中には知らない人も多いと思う。

例えば、こんな感じ↓
数組でも知ってたら、あなたはお笑いマニア 笑

・DonDokoDon
・りあるキッズ
・変ホ長調
・カナリア
・馬鹿よ貴方は
・もも
・キュウ
・ダイヤモンド……

決勝に残ってからが勝負だった。


今のM-1:決勝に残ること自体が“ゴール”になりつつある

だけど今は、決勝に残って、地上波で1回ネタをやるだけで
ブレイクする可能性があるというより、ゴールになってきている。

これは、すごい変化だ。。。

メディア構造の変化がすべてを変えた

なぜこんなことが起きているのか?

理由はシンプルで、大会を取り巻く
「メディア構造」が変わったからだと考えられます。

昔はテレビが中心で、M-1の翌日に広がる情報と言えば、
スポーツ新聞かバラエティ番組くらいでした。

だから、優勝していないと仕事が増えるまで時間がかかった。

ところが今は、時代がまったく違う。

YouTube、TikTok、切り抜き文化、
M-1公式チャンネルの充実。

ネタの2〜3分抜き出し動画が翌日から数100万回再生される。

ファイナリストのツアーも
全国で開催されるようになった。

↑SNSよりも実はこれがでかい。やっぱリアルは強いという証明にもある。

今のM-1は、もはや
ただの「テレビ番組」ではなくなったと思う。

完全に、お笑いファンにとって、いやもう少し広い意味での
マーケティング装置に成長したと言えます。


裾野が広がりすぎて「知らないコンビ」が増えた理由

単純に、お笑い界の裾野が広がりすぎた。

養成所の規模は年々大きくなり、劇場で食べられる芸人も増え、
SNSがあれば地方にいてもファンがつく。

辞めなくていい環境が整ったから、
分母がとにかく大きくなっている。

追いきれないほど芸人が増えているのは、ぼくらのリテラシー不足ではなく、
M-1という山が高くなりすぎた結果だと感じています。

だからこそ、

「知らないコンビが増えた」

と感じても全然不思議じゃない。

・・・言い訳じゃないっすw


売れながらM-1決勝に残ることは、昔よりはるかに難しい

そしてもう1つ、今年のファイナリストを見て

「知らないコンビ増えたな〜」

以外に強く思ったことがある。

それは、

「売れながら
 決勝に残ることの価値」

が、昔より数段上がっていると思われる。

売れると「漫才の時間」が削られていく構造

売れればTV番組ロケが入り、番組収録が増え、
移動が増え、雑誌の取材も増える。

結果として、漫才のネタ作りや練習の時間はどうしても削られるんです。

だから、売れたコンビがM-1に出続けるのは、
精神論とか根性ではなく構造的に難しい。

挑戦するメリットより負担や失うモノの方が
大きくなるから。

それでも挑戦を続けるコンビは、応援したくなる

にも関わらず、今年は

「エバース」
「真空ジェシカ」

が決勝に残った。

どう考えても彼らを応援したくなる。

売れながらも結果を残して決勝に来るコンビは
本当にすごいことだと思う。

ぼくは、こういう行動にはとても価値があると考えています。

売れた後って、ある意味挑戦しなくても生きていける世界です。

露出も仕事もあるし、ファンもいる。

そこをあえてもう一度崖に立ち、
競技としての漫才に戻る。

この姿勢が、芸人としての価値をさらに押し上げていく…。


M-1に見る「コンテンツが強くなるとき」の市場変化

お笑いの話をしているようでいて、
実はどんな業界にも通じる話だと思います。

大会=コンテンツが強くなると、市場も挑戦する人も変わる。

市場が拡大すると、裾野も広がる。

結論、、

今年のM-1は、久しぶりに「未知のメンバーが多い大会」ですが、

それは決してマイナスではなく、
むしろお笑い業界が健全に拡大している証拠とも言えるでしょう。

この土壌の上でどんな物語が生まれるのか、
今から楽しみで仕方ありません。

最後に要点を整理します…

なんか結構話があっちこっちいったので
最後に要点を整理させてください…

  • M-1は「テレビ番組」から「お笑いマーケティング装置」に進化した
  • 決勝に残るだけで売れる構造が完成している
  • 裾野が広がりすぎて知らないコンビが増えた
  • 売れながら決勝に残ることは昔よりはるかに難しい
  • だから挑戦を続ける芸人の価値が跳ね上がっている

……仕事入らないよう、今から調整します 笑

それでは!

ABOUT ME
Koi Miura
時間にもお金にも縛られず「自由」に生きる。そして「クリエイティブ」に生きる。リアルビジネス・インターネットビジネスの垣根を超えて、あらゆることを提案し、形にして行く。それがこれからの僕の使命。マーケティングスキル・個人ブランディングを極め、自己の成長はもちろん、たくさんの同志と共鳴し合い、成功者を量産させて行こうと思います。