今年は何年かぶりにリアタイで見れそうな
M-1決勝戦。
昨日、準決勝が行われファイナリストの発表がありました。
多分、メルマガを始めて12年間、、
毎年M-1ネタは書いております 笑
当然、島田紳助さんが立ち上げた第1回から見続けてきており
ぼくの中では、クリスマス・紅白以上に年末の風物詩になってます。
その影響を受けてか、娘も気づいたらお笑いファン、
妻は余り好きじゃなくてもM-1の決勝は
家族3人で楽しむイベントになっているのは単純に嬉しいぜ。
今年は「え…知らないコンビが多い……」から始まった
先ず、メンバーを見た最初の感想…
「え…知らないコンビが多い……」
でした。
例年は9組のうち、ほぼ全組を感覚的に追えているのですが、
今年は4組くらい「ほぼ初見」。
決してぼくがお笑いに疎くなったわけではなくて、これは完全に
M-1の「構造変化」だな…と強く感じました。
昔のM-1:「売れるための登竜門」だった時代
M-1が立ち上がった当初は、M-1はずっと若手芸人にとっての
「売れるための登竜門」
だった。
もちろん今もその側面は強いのですが、ここ数年変化の兆しを感じたが、
今年はその変化が確信に変わった。
優勝か「爆発的な爪痕」だけがチャンスだった
昔は
「優勝する」
か
「決勝で爆発的な爪痕を残す」
ことで初めて売れた。
言い方変えると、過去決勝に行ったコンビ、
このメルマガ読者の中には知らない人も多いと思う。
例えば、こんな感じ↓
数組でも知ってたら、あなたはお笑いマニア 笑
・DonDokoDon
・りあるキッズ
・変ホ長調
・カナリア
・馬鹿よ貴方は
・もも
・キュウ
・ダイヤモンド……
決勝に残ってからが勝負だった。
今のM-1:決勝に残ること自体が“ゴール”になりつつある
だけど今は、決勝に残って、地上波で1回ネタをやるだけで
ブレイクする可能性があるというより、ゴールになってきている。
これは、すごい変化だ。。。
メディア構造の変化がすべてを変えた
なぜこんなことが起きているのか?
理由はシンプルで、大会を取り巻く
「メディア構造」が変わったからだと考えられます。
昔はテレビが中心で、M-1の翌日に広がる情報と言えば、
スポーツ新聞かバラエティ番組くらいでした。
だから、優勝していないと仕事が増えるまで時間がかかった。
ところが今は、時代がまったく違う。
YouTube、TikTok、切り抜き文化、
M-1公式チャンネルの充実。
ネタの2〜3分抜き出し動画が翌日から数100万回再生される。
ファイナリストのツアーも
全国で開催されるようになった。
↑SNSよりも実はこれがでかい。やっぱリアルは強いという証明にもある。
今のM-1は、もはや
ただの「テレビ番組」ではなくなったと思う。
完全に、お笑いファンにとって、いやもう少し広い意味での
マーケティング装置に成長したと言えます。
裾野が広がりすぎて「知らないコンビ」が増えた理由
単純に、お笑い界の裾野が広がりすぎた。
養成所の規模は年々大きくなり、劇場で食べられる芸人も増え、
SNSがあれば地方にいてもファンがつく。
辞めなくていい環境が整ったから、
分母がとにかく大きくなっている。
追いきれないほど芸人が増えているのは、ぼくらのリテラシー不足ではなく、
M-1という山が高くなりすぎた結果だと感じています。
だからこそ、
「知らないコンビが増えた」
と感じても全然不思議じゃない。
・・・言い訳じゃないっすw
売れながらM-1決勝に残ることは、昔よりはるかに難しい
そしてもう1つ、今年のファイナリストを見て
「知らないコンビ増えたな〜」
以外に強く思ったことがある。
それは、
「売れながら
決勝に残ることの価値」
が、昔より数段上がっていると思われる。
売れると「漫才の時間」が削られていく構造
売れればTV番組ロケが入り、番組収録が増え、
移動が増え、雑誌の取材も増える。
結果として、漫才のネタ作りや練習の時間はどうしても削られるんです。
だから、売れたコンビがM-1に出続けるのは、
精神論とか根性ではなく構造的に難しい。
挑戦するメリットより負担や失うモノの方が
大きくなるから。
それでも挑戦を続けるコンビは、応援したくなる
にも関わらず、今年は
「エバース」
「真空ジェシカ」
が決勝に残った。
どう考えても彼らを応援したくなる。
売れながらも結果を残して決勝に来るコンビは
本当にすごいことだと思う。
ぼくは、こういう行動にはとても価値があると考えています。
売れた後って、ある意味挑戦しなくても生きていける世界です。
露出も仕事もあるし、ファンもいる。
そこをあえてもう一度崖に立ち、
競技としての漫才に戻る。
この姿勢が、芸人としての価値をさらに押し上げていく…。
M-1に見る「コンテンツが強くなるとき」の市場変化
お笑いの話をしているようでいて、
実はどんな業界にも通じる話だと思います。
大会=コンテンツが強くなると、市場も挑戦する人も変わる。
市場が拡大すると、裾野も広がる。
結論、、
今年のM-1は、久しぶりに「未知のメンバーが多い大会」ですが、
それは決してマイナスではなく、
むしろお笑い業界が健全に拡大している証拠とも言えるでしょう。
この土壌の上でどんな物語が生まれるのか、
今から楽しみで仕方ありません。
最後に要点を整理します…
なんか結構話があっちこっちいったので
最後に要点を整理させてください…
- M-1は「テレビ番組」から「お笑いマーケティング装置」に進化した
- 決勝に残るだけで売れる構造が完成している
- 裾野が広がりすぎて知らないコンビが増えた
- 売れながら決勝に残ることは昔よりはるかに難しい
- だから挑戦を続ける芸人の価値が跳ね上がっている
……仕事入らないよう、今から調整します 笑
それでは!








